バイリンガルにとって「より重要な」言語とは?
実際にバイリンガルを育てた言語学者Sorace氏と、Ladd氏が、アメリカでのバイリンガル育児の質問に答えている記事を見つけたので、シェアします。シリーズものとして、それぞれのQ &Aを日本語訳をしていきます。
第1回はこちら。
第2回はこちら。
Q5:子供が産まれた時から2言語に触れていたら、本当に2言語を話すようになるの?
A5:実はそうでもない。でも子供はそれを楽にできるし、苦痛だとも思わない。でも、難しいのは、彼らが両方の言語に自然かつ十分に触れなければならない事なんだ。多くの場合、2言語の内のどちらかが「より重要な」言語になるので、バイリンガルになる成功の秘訣は、重要でない方の言語に触れる機会を十分に子供に与える事である。しかもそれは、押し付けだったり、人工的に作った機会ではなく、あくまでも自然な形じゃないと意味がない。最も良い方法は(もしできるならば)、子供をその重要でない方の言語のみを話す環境へ入れる事である。そうすれば、「より重要な」言語を話したくても話せないし、もちろん混ぜて使う事もできないからね。
Q6:「より重要な」言語ってどういう意味?
A6:2言語の内のどちらかが、より頻繁に必要とされる時、その言葉は子供にとって「より重要」になる。例えば、アメリカ人女性とトルコ人男性の国際結婚で、夫婦間は英語を話していたとする。その子供は、父親とトルコ語を話す時以外は、英語を使っている事に気づく。そうすると、子供は英語がより重要な言語だと考えるようになるんだ。でも、もし、この家族がトルコに引っ越したら、父親と母親が英語で話している時以外は、ほぼトルコ語が使われているのに気づいて、トルコ語の方が重要と決めるかもしれない。
これらの違いに非常に敏感な子供もいて、重要でない方の言語を話したがらない子もいる。特に他の子供たち(例えば友達とか)がその言語を使っていない場合はね。でも、そういうのを全然気にしない子もいるよ。
この一つの言語が「より重要」になるっていう話は、子供の(頃の)視点だけの話なんだ。それにも関わらず、多くの大人のバイリンガルも、2言語の内、どちらかが「優勢」になっている。たとえ2言語のレベル差が僅かでも、大部分のバイリンガルは、特定のトピックや特定の状況において、どちらか一つの言語の方が、僅かではあるが、心地よいと感じるのである。
次回に続く!
こちらのサイトの5、6個目の質問を日本語訳しています。